沼津市長選挙 候補者への質問と回答

沼津市議会見た後会を代表団体として、母力.pjをはじめ他市民団体、市民有志とともに4月29日の沼津市長に立候補者に4月18日に質問書を送付しました。(質問内容は⇒こちら

4月23日をもってすべての候補者の方から回答をいただきましたのでご報告いたします。
なお回答につきましては、立候補届け出順に名前を記載させていただきました。

【個別回答】

  1. 山下ふみこ(山下富美子)
  2. 加藤もとあき(加藤元章)
  3. わたなべだいすけ(渡辺大輔)
  4. よりしげ秀一(頼重秀一)
  5. つちくらあきはる(土倉章晴)

【質問別回答】

1. 30年後の沼津はどんなまちになっていたら良いかお考えをお聞かせください。
(山下)私は、わかりやすさを重視した、市民に開かれた市政を行います。また、若者やシニア、女性が生き生きと活動し、子育てがしやすい、さらには、介護、育児、貧困などによる社会的孤立をゼロにして、誰も置き去りにしないまちづくりを進めていきます。
こうした取り組みにより、30年後の沼津は、「みんながしあわせになる幸福度No.1のまち」になっている(していきたい)と考えています。
(加藤)県東部の中核都市として、インフラが整備され、拠点性機能(行政、経済、福祉)のある新たな沼津駅周辺地域を中心に、海、山、川を活かしたまちづくりに多くの来訪者(観光客)を集める光り輝いたまち
(渡辺)人口が増加し、税収が上がり、できることが増える街になっていたら良いと思います。
(頼重)子どもや子育て世代、高齢者など様々な世代の市民が、安全・安心で明るく健康に過ごすことができ、地域に誇りを持って、誰もが住みたい、住み続けたいと思える、にぎわいと活力にあふれるまちを目指す。
(土倉)沼津駅(東田子の浦駅〜函南駅迄の地下鉄)沼津駅を中心にした事務所、営業所、商店街の復活、若い人々が駅周辺に集まる街造り。
2. 市職員のモチベーションと力量を高めるための政策・方策をお聞かせください。
(山下)市職員のモチベーションを上げるために、私は、まず人事制度の改革を行います。現在の人事制度、特に昇格の基準は明確ではありません。減点主義がはびこっています。その結果、失敗しないように周りと調整をとる人が昇格しています。そうではなく、実績を上げた人を昇格させるべきだと考えています。この実績というのは、市民の目線に立ち、いかに市民のためになるような実績が残せたかということです。同時に、幅広い視点を持ち、公平公正な観点から行政が行える職員を育てることが不可欠です。また、先を見通せる能力を持たせることも大切だと考えています。
そのためには、他人の釜の飯を食べさせることが必要です。外から沼津市政を見ることにより、客観的な視点を持つ事ができます。具体的には、国や県、民間企業への職員派遣などを考えています。
なお、外部からの人事介入は、あってはならないことで、人事の独立性公平性を確保します。
(加藤)頑張る人、能力のある人が適正に評価され、適材適所となる様、多面的評価を進めると共に、現場主義の徹底と市民へのサービス業であることの認識を深めて頂く
(渡辺)定期的なストレスチェック、キャリアコンサルティングの実施。市職員の給料が適正か適正じゃないか判断し業務に見合った給料体制をとる。
(頼重)私自身が職員と積極的に対話することで、部署や役職を越えて、職員全体が自由に意見を出し合い、市民目線に立って日常的に行政サービスの向上や業務の改善を続けていけるような組織風土を醸成し、「縦割りを越えた風通しの良い市役所」を目指す。
(土倉)3ヶ年〜5年で部所や課が変ると職員は新しい課で①から勉強しているのが、同情する。県職と同じように、本人の希望を聞いて、同一部所で10年15年属することの出来る。専問職制度をとり入れるべき。
3. 困りごとを抱える人、マイノリティの人たちが声をあげられ、支えあえる地域をつくるための方策をお聞かせください。
(山下)私は、政策として「誰も置き去りにしないまち」の実現を目指しています。
貧困や虐待、老々介護や介護離職などの介護の困りごとは、自己責任ではなく「沼津の課題」であります。また、障がい者やLGBTをはじめとする、生きにくさを抱えるすべての当事者の声を聴き、多様性を尊重したまち・ひと・地域づくりを進めていきます。そのためには、まず市役所に専門の担当課を設置したいと考えています。
(加藤)これまでも様々な受け皿機能が行政、民間で用意されてきていると認識しているが、より良き方策を策定するために、機能の統括など再検討すべきだと思う
(渡辺)地域活動に補助費を回すようにして個々の人間性を高め地域の絆を網の目のように構築していく
(頼重)・ 高齢者や障がいのある方、生活に困窮している方など、様々な市民が分け隔てなく、相互に理解し合い、尊重し合えるまちにしたいと考えている。
・ これらの方々のニーズを把握しながら、健康づくりや就労の支援などを進めるとともに、地域コミュニティの推進により、人を育み共生するぬくもりのある地域づくりに取り組み、市民一人ひとりが活躍できるまちを目指す。
(土倉)地域自治会の町内会の青年部・少年部を統活する 充実すること
4. 持続可能かつ地域に根ざした起業を推進する政策について、お考えをお聞かせください。
(山下)1つの事例ですが、子育てしながら在宅で仕事ができるITエンジニアを育成していきます。育成した後には、仕事として稼ぐための仕組みをつくります。たとえば、東京にはITの仕事を発注したい企業はいくらでもあります。既にビジネスモデルはあるので、在宅ワークの環境を整えることで、若者が生き生きとした社会をIT推進で実現していく可能性があります。
また、沼津には1次産業から2次、3次まで多様な産業があります。産業の垣根を越えて、それぞれのよいところをビジネスマッチングして新しい事業展開につながるようにしていく。私は、そのために新たに創業を含めた、中小・零細企業の支援センターを設置します。
(加藤)先般、成功している民間のシェアオフィスを視察したが、やはり的確な情報を提供し、起業の可能性や事業の見通しなどを安定化させるため、事前の専門的コンサルティングや出口(売上)戦略構築が不可欠であり、そのための機関、機能設置が肝要
(渡辺)安定した起業には税務の知識が必要不可欠。せっかく起業しても3年しない内に廃業など、知識不足からの廃業も少なくない。起業を目標とする人間に税務の知識を学べる場を作る
(頼重)首都圏に近接し、広域交通のアクセス性に優れ、海・山・川など豊かな地域資源に恵まれている沼津市の立地環境をPRするとともに、土地利用のあり方を検討しながら、ものづくりをはじめ農・水・商といった既存産業との連携強化を図りつつ、起業を志す方々への場の提供や助成などの支援を行う。
(土倉)答えられない。
5.官民データ活用推進計画についての方策を教えてください。
(山下)行政の持つデータには、過去のデータから将来に向けてのデータ、様々な計画など、民間が活用できるデータが豊富にあります。私は、沼津市のホームページ上に「沼津オープンデータ・カタログ」を設けます。これは、2次利用可能なデータの公開環境を整備し、実際に公開を進めることで、行政の透明性の向上を図るとともに、公開データを利活用したビジネスが展開される環境を整え、オープンデータによる経済活性化の促進を図っていきます。同時に市庁舎内に「統計資料センターぬまづ」を開設します。
(加藤)官民データの活用については、そのシステムや効能など先進事例を参考に沼津市ならではの方策を検討していきたい
(渡辺)積極的に取り入れ早急な新たな行政サービスを作って行きたい。
行政手続きの電子化による業務の向上、データ活用により地域課題の自発的解消の促進を進める
(頼重)・官民データの活用推進に当たっては、オープンデータとして行政が保有する電子情報の公開拡充が不可欠であり、それらのデータを分析し、必要な情報を的確に捉え、施策に反映していく必要がある。
・ そのための職員研修を行うほか、民間と連携しながら官民データの利活用を図る。
(土倉)不明です。
6. 海に囲まれた自然豊かな沼津市ですが、100年先まで子どもたちが安心して暮らし続けるための環境方策をお聞かせください。
(山下)沼津は愛鷹山、狩野川、駿河湾など海、山、川の自然に恵まれています。こうした恵まれた環境を子どもたちに残していくことは、大変重要な課題であると思います。具体的には、自然環境を保全しつつ、同時に魅力ある自然資源を活用していく必要があります。自然は保護するだけでは、守る事ができません。たとえば、森林を守っていくためには、間伐などが必要になります。
これは、行政だけではできないので、市と市民、民間が連携して取り組んでいきます。
(加藤)市民全体での環境学習と意識の高揚が重要であり、エネルギー関連や廃棄物処理などについて、家庭レベルでの取り組みの推進や行政と一体となった施策展開を推進していく。
(渡辺)自然豊かな沼津市だからこそ自然を大切にしていきたい。安心とは津波から身を守るだけが安心ではないと思います。100年先のことはこれからゆっくり考えて行きたいと思います
(頼重)地球温暖化といった世界的な課題も視野に入れながら、市民の自発的な省エネルギー・新エネルギーやエコ活動の普及促進などに取り組むほか、沿岸部の津波対策や治水など災害に強いまちづくりを推進する。
(土倉)沼津駅から、湾市場、桃響、江之浦、口野、おせ、戸田へのモノレールの開設、沼津駅迄、簡単に短時間で来れる交通として、モノレールの建設、をしよう。
7. 若年層の人口減少が課題となっておりますが、子育て世帯が沼津に住み続けたい、若者が地域を誇りとし沼津に住み続けたいと思うための子育て支援の拡充や新たな方策・政策を具体的にお考えでしたらお聞かせ下さい
(山下)沼津は1人あたりの教育費がなんと県内ワースト2位と低いのです。
私は、この教育費を倍増させていきます。その対策の一つとして、「小中学の給食の無料化」を行います。無料化というと質の低下を心配されますが、安全で安心の地域食材を使った、美味しい給食を子どもたちに提供していきます。「よい給食は未来への投資」だと考えています。
沼津には、魚や野菜、愛鷹牛、沼津茶など豊富な農水産物があります。それを学校給食に提供していただけるように、生産者が安定的に供給できるシステムを構築していきます。地域の生産者や農水産物を知り、地域を誇りに感じることは食育にもつながります。「小中学校の給食の無料化」は、福祉政策であり、教育政策であり、経済政策でもあります。
(加藤)子育て世代に対しては、①子育て環境の充実と、②子育てコストの低減が重要。①については、お金を使わなくても1日ファミリーで遊べる公園の整備、②については、小中学校の給食費無償化を実現する。
(渡辺)私の推奨している自立支援を積極的に行えば必ず人口増加に繋がり沼津に誇りを持った人が増加します。保育園、保育所などの選考基準の緩和など状況にマッチした提案をしていきたい。
(頼重)安心して子育てができ、若い世代の方々が活躍できるまちを目指し、小中学校の教育環境の改善をはじめ、放課後児童クラブの増設・運営時間延長や、学生の奨学金支援の充実、子どもの豊かな心を育む「美育」や読書環境の充実のほか、雇用の受け皿となる物流等の企業の誘致や、中小企業の就職情報の発信強化などに取り組む。
(土倉)沼津は海、海水浴場に恵まれた市、山梨県の人々が、がっかりして通り超してしまう街になっている。海の民宿が満室になるよう、若者が住みたくなる町にすること。
8. 引き続き、図書館を直営での運営を継続していただけますか?
(山下)沼津市立図書館は、生涯学習活動の拠点として大変重要であります。
私は、図書館の運営は直営での運営を継続する必要があると考えています。
但し、図書館司書の活躍など、運営面についてはさらに工夫を高める必要が
あると思います。
(加藤)行政改革のひとつとして、以前より民間有識者等から民営化などの提案および市での民営化に向けた検討方針も示されていたと思う。いずれにしても、市民にとって、何がベストであるのかを判断基準とすべきであり、そのあり方について検討していく。
(渡辺)直営運営が基本だが、利用そのものは減っている。時代にマッチするように何か付加価値を付けたいと思う
(頼重)市立図書館のより一層の利用拡大を図るためには、館内のスペースの有効活用や開館時間の延長などについて検討していく必要があると考えている。
・ 先進事例の調査研究を行いながら、利用者や図書館協議会等の意見を踏まえつつ、直営も含め、最も効果的な運営方法について検討していきたい。
(土倉)OK
9. 沼津市の文化・教育行政に於いての図書館の位置付け、そして、前身の沼津文庫開設から130年という歴史ある図書館の今後のあり方についてお聞かせ下さい。
(山下)前の質問で回答したように、図書館は生涯学習活動の拠点として大変重要であると考えています。また、運営面についてはまだまだ工夫が必要だと思います。AVを含む図書の充実はもちろんのこと、ITの活用なども今後の課題だと思います。何より、図書館通いが楽しくなり、心の豊かさを提供する場となることを目標にしてゆきます
(加藤)多くの市民にとって利用しやすく、魅力的な図書館であることが必須であるが、インターネットの普及や本(活字)離れ傾向などで、その社会的位置付けは大きく変化してきていると思うことから、施設としてより市民の利便性が高まる工夫や新たな機能補完なども検討すべきと考える。
(渡辺)図書館だけでの運営が難しいのであれば積極的に必要とさせるものを組み込みたい。しかし、位置付けとしては図書館で問題ないと思う
(頼重)市立図書館は、市民の生涯学習の拠点として利用されている中核となる施設であると考えており、今後、人口減少社会を迎える中で、より質の高い市民サービスの提供や事務の効率化を図る必要がある。
(土倉)歴代図書館の担当者に感謝申し上げます。
10. 沼津市政を担うに当たって、参考にしたいと考えている他地域の取組みがありましたらお聞かせ下さい。
(山下)私は、全国にわたって議員等のネットワークがありますし、これまで地域づくりに携わってきた多くの方々との連携を深めることができます。
具体的に、どこのまちを参考にするとかではなく、沼津の持つ歴史や素材を活かし、「みんなが幸せになる沼津」の実現を図ります。
(加藤)ユニークな施策展開で行政改革、地域活性化などを推進してきた佐賀県武雄市(前樋渡市長時代)の行政運営、世界的な環境先進都市であるドイツ・フライブルグ市、および全米1暮らしやすいと言われているオレゴン州ポートランド市など。
(渡辺)にわか知識になってしまいますので、これから勉強したいと思います。いいなと思ってもそれが沼津に当てはまるかを検証したい
(頼重)全国の自治体において、様々な分野で先進的な取り組みが行われており、市政運営を行う上での課題を踏まえ、参考となる自治体の施策に関する情報収集や調査研究を適宜行っていきたい。
(土倉)沼津駅南の空ビルを活用して、県立沼津大学短大4年制、4学部”商業経済科、法律政経科、都市工学科、アジア外国語科、各科定員100名1学年400名の夜間専問大学を創る。沼津で働きながら大学を卒業した学生の半分は沼津市に残ると思う。
11. 一人でも多くの市民に、市政について関心を持ち知っていただくためには、どのような方策があるとお考えですか?
(山下)わかりやすさを重視した「情報公開」でオープンな市政にすることが必要だと思います。政策決定過程を分かりやすくし、公共事業の効果・評価を公開し、予算編成過程の透明化などを行い、市民が市政への関心を高め、参加できるような仕組みづくりに努めます。
(加藤)幅広い情報発信はもとより、興味を持ってもらえるようなコンテンツの整理、掘り出しが重要であり、それら有効なコンテンツの発信や情報共有にフォーカスする。
(渡辺)全国でも沼津市という市が注目を浴びることができれば市民は自然と市政に興味を持つでしょう。
(頼重)広報ぬまづやホームページのほか、報道、SNSなどの様々な広報媒体を活用し、市政情報をリアルタイムで分かりやすく発信するほか、私自身が会議やイベントなどに積極的に足を運び、市民の皆様に市政についてお伝えする機会を多く設けていきたい。
(土倉)政治家は当選する為の勉強はしている。本当の政治家は当選した後に何を「したか」が大切です。議員と市長は役割がちがいます。小学校と高校の先生のちがいです。
12. 前市長の公約や減給事案により、沼津市特別職の職員の給与に関する条例において減額されていますが、市長になった場合、給与はどうされますか。
(山下)市長という職責は、沼津市政のかじ取り役であり、大変重要な役割をもっています。とてもボランティアでできるような職責ではありません。
市長の役目は、自らの給料を減額することではなく、いかに沼津が活性化するか、市民が幸せになれるかということだと思います。私は、市民のみなさんから立派な仕事をしている。それ位の給料は必要だね、と言われるような市長になるよう努めます。
しかし、市長給与については、選挙のパフォーマンスでなく、別途、適正なあり方を検討したいと考えています。
(加藤)給与減額は前市長の判断のため、従来規定に戻すべきと考えるが、一方で自分が掲げている市長退職金の廃止は実行する。
(渡辺)減給はしない考えです。
(頼重)沼津市特別職報酬等審議会の審議結果を踏まえ、「沼津市特別職の職員の給与に関する条例」において市長の給与が規定されている。
・ 審議会での審議内容や結果を尊重し、市長の職責を果たしていきたい。
(土倉)給与以上の仕事をすることが1番です。
13. 沼津市政を担うに当たって自らの政策形成を支えてくれる本で、市民へオススメの本はありますか。
(山下)
民主主義を支えている基本は憲法です。憲法では、市民・国民の主権者としての権利と、議員・公務員などは主権者が選んだ奉仕者としての責務が決められています。
そのことから、終戦直後に文部省が発行した「憲法の話」と言う本は、とても参考になると思います。
(加藤)
・シビックプライド~都市のコミュニケーションをデザインする(読売広告)
・コミュニティデザイン~人のつながるしくみをつくる(山崎 亮)
・フライブルクのまちづくり(村上 敦)
・ポートランド~世界で一番住みたい街をつくる(山崎 満広)
(渡辺)
金持ち父さん貧乏父さん 静岡方式で行こう2
(頼重)
「協働が変える 役所の仕事・自治の未来」 松下啓一 著
「シティプロモーションでまちを変える」  河井孝仁 著
「ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる」 山崎満広 著
(土倉)
田中角栄自伝書。杉山憲夫の自転書。日本の近代社会を創るのに貢献した人々の自伝書。松下幸之助、本田宗一郎、豊田佐吉の自伝書(原稿では「〃」)
土倉章晴の商い族、上・下2巻 市立図書館にある